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今年は大雪のニュースを耳にしつつも、年明け後の寒波も年少発表会後の寒波も、北陸平地の積雪はたいしたことなく、庭にかきいれた雪もしれており、木の花っ子たちからすると物足りないことこの上なし…の今冬。
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とはいえ、わずかな雪でも大事に集めて、雪だるま(龍もあり)や雪の団子屋さん、滑れるところを探してソリやスライダー(立ち乗りボード)遊び等々、うっすらとある雪をここぞとばかりに活用する子どもたち。そして雪解けの水たまりに「そり」を浮かべて乗ったり、冷え込めば氷を見出すなど、冬の気候・気象は遊びに様々なバリエーションを与えてくれます。
とはいえ雪不足に庭よりも室内の遊びが活況。恒例の正月
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遊び用のコマ回しなどもさることながら、階段踊り場のドールハウスや遊具庫のままごとコーナーなど新たな遊び拠点も子どもたちの人気です。発表会の練習で残された大型積み木等の背景設定をままごとの「家」に組み替えたり、基地にしたり…(発表会の設定も日々変わるので、そうした目新しさも子どもたちには遊びをより進化させるきっかけにも)。
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とはいえ(しつこい!)室内ばかりもいかがなものか?と、ツリーハウスの撤去でどんぐりの木が空いたので、そこにゆらゆらブランコ、栗の木にある「もっくん」(木工ハウスの名称です。誰も知りませんが…笑)とどんぐりの木とにロープを繋いだターザンロープを設置しました(以前から色々な木を利用して園が落ち着いている晩秋くらいから設置し、子どもらは「ジェットコースター」と言ったり、「ロープウエイ」と呼んだり・‥)。落ちた時用のバックアップのロープネットを補強し、乗り場となる位置に足場の棒を追加して、引き上げ用のバックロープが途中で絡まないようにパイプの中を通すなど下準備に勤しんでいると、こういう作業に目ざとい子は、すぐに「やりたい」と「試験運行」に協力してくれる有難い存在。ところが体重のある子がすると荷重でロープが伸びる部分、バックアップ用ネットにかかりやすく、下降ポイント(どんぐりの木)を上にすると高さも出る分、傾斜が緩くなり体重の軽い子が中空で止まるなどロープの角度調整などが結構難しく。引き上げ用のバックロープと共に途中で止まった際には友だちに引っ張ってもらえるように下側へのロープを付けて引っ張る側にもロープを伸ばして、極力自重で子どもが降りて来れるように角度調整して今、運行中です。(大人がすると? はるりんがどうしてもやりたい、とやったところ、バックアップのネットに足がかかるので、無理は禁物です…笑)。
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バックロープの引き上げなど他の人の協力なしにはできないので、子どもらで交代でやってもらっていますが、「やってみたい」と言ってもなかなか踏ん切りがつかずに「やめるわ」という子も結構います。それでいいかと思いますし、自分も近くで見ているときに逡巡している子を見ると、「やめとくか」と声を掛けます(勇気出してがんばってみよう…とは言いません。子どものなりの判断のバロメーターは自分の中でその針の振幅を推し量っているので、針を上振れしないようにブレーキをかけます)。そんな葛藤と闘いながら、「やってみる」と一歩を踏み出そうと背中を押してくれるのは、こうしてねと教えてくれたり、「いけるよ、○○〇!(名前)」と声をかける周りの子どもたちだったりもします。怖いもの(同時に楽しいもの)を共感できる仲間の存在を感じるひと時です。
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そんな怖いものと出会うひとつの機会が節分です。ターザンロープのような自由意思で「やる」、怖さとの出会いと違い、突然外からやってくる(誰に対しても…)「鬼」との出会いとしての節分は、「みんなが健康で幸せに過ごせますように」と、悪いもの(自分の内なる邪気など)を追い出す日ですが、その悪いものの象徴が鬼です。悪いことが大好きな鬼は、この世の中の不条理な世界と重なる物の怪の象徴かもしれませんね(今ではSNSなどでの誹謗中傷などもそんな現代の「物の怪」の類いかも…)。
さてそんな節分に向けて、年長発表会の取り組みの佳境の中で、各学年(以上児さん)の子どもたちは、隠れ場所や武器を作ったり、机等でバリケードを作ってみたり、平和的な解決策として「招待状」?を用意したり等々、対策に余念がありません。さて、今年はどんな鬼がやってくるのでしょうか? 幼児期にしか出会えない「鬼」と対峙する子どもたち。そんな出会いをそれぞれ子どもたちがどう乗り越えていくか?
鬼を追い払った先に新しい、楽しい春を呼び込めるよう願っています。
あゆどん(記)
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